北村明子 シス カンパニー

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なんと昼夜交互上演!1日間で『令嬢ジュリー』、『死の舞踏』の順に拝見。「ストリンドベリ連日交互上演プロジェクト」、とても面白いです。上演時間:『令嬢ジュリー』は約1時間20分、『死の舞踏』約1時間50分。ともに休憩なし。クリスティンが外出の準備を整えて出てきた。ジュリーは「3人でここを出てホテル業を始めよう、クリスティンが料理長、働かなくても大丈夫」と言うので「そんなこと本当に信じてるんですか?」と返す。クリスティンは「人間の罪は神様が赦してくださる」と信じるキリスト教徒。ジュリーも「そんなこと、本当に信じてるの?」と返す。クリスティンが「金持ちが天国に行くのは、らくだが針の穴を通るより難しい」と新約聖書を引用し、ジュリーは金持ちである自分は救われないのだと思う。2人を置いてクリスティンは階段を上り、教会へと出かけて行った。結婚して25年になろうというエドガーとアリスはお互いを憎み合っている。アリスは元女優でいままだに仕事に未練があり、家事を押し付けるエドガーを恨んでいる。2人には4人の子供がいたが、そのうち2人は亡くなった(たぶん日照不足て死亡)。長男はエドガーに似て酒好きで、長女は何でもねだる困った若者。子供に未来の期待もできない。ただ死を待っている。エドガーが倒れたためクルトが医者に診せたところ、かなりの重病で酒もたばこも厳禁と言う。アリスは早く死んでほしいという気持ちを隠さない。焼け木杭に火がつくように接近するアリスとクルト。アリスは打ち明けた。クルトがエドガーに妻との離婚調停(だったかな)を頼んだ時に、エドガーは彼女と恋仲になってしまった。彼女に親権を完全に奪うようにアドバイスしたのは、エドガーなのだと。またアリスはこうも言った。エドガーはクルトの息子たちを不幸にしようとしている。自分の子供の出来が悪いから、死ぬ前に最後の嫌がらせを企んでいるのだと。最後のどんでん返しに私はすっかり翻弄された。『令嬢ジュリー』と同様、俳優が舞台上で起こる事件に翻弄される状態でいてくれるから、観客もともにそれを味わえたのだと思う。『令嬢ジュリー』はいつも客席がある方の空間を使用。前方席が舞台になっていて、奥には天窓付きの壁がそびえている。『死の舞踏』はその壁の奥の空間、つまり舞台上舞台が設営されていた。『死の舞踏』では『令嬢ジュリー』の壁が大きな窓になっている。窓から下手側の大きな階段が見えていた。客席はそのままで、誘導方法と壁部分が変わる。大きな劇場を2つに分けて、小さな劇場での2本立て公演にし、休演日以外はマチネとソワレの両方に上演がある。凄い。鞄と鳥かごを持って階段を下りてくるジュリーに、ジャンは「顔色が悪い。というか汚れてる」ようなことを言う。『ロミオとジュリエット』で若い男女が結ばれた後に、互いに言い合うセリフに似てる。後の死を予感させる。スウェーデンの劇作家ヨハン・アウグスト・ストリンドベリの2つの戯曲を小川絵梨子さんが翻訳・演出されます。白いドレスのジュリーが下手の大階段から降りてくる。靴はピンク色のバレエシューズ(たぶん)で子供っぽいイメージ。ジャンは白いシャツに黒いズボンとブーツ、制服のベストを着ている。クリスティンは灰色の地味なワンピース。昔に観たことがあるので悲劇的な結末を知っていたはずなのに、「一体どうするの?この先どうなるの?」とドキドキしながら物語を追うことができた。古典上演でよく見かける、俳優が結末を匂わせ、運命的なものを先に観客に説明するタイプの演技だと、こうはならなかったと思う。俳優が劇中の事件を、その場で感じて反応する、感情に嘘のない演技だった。小川演出の特徴だと思う。それがとても好き。三方から客席が挟む舞台。下手側に上へと続く大きな階段がある。中央にはテーブルと椅子。調理場は上手側で、上手袖にクリスティンとジャンの個室がある設定。中央上部に天窓があり、その右横あたりに金色の立派なベルがある。ベルから下方へとパイプが伸びていて、パイプの上からこの領地の主人の声が吹き込まれ、下に聞こえる仕組み。全体は狭くはないが、暗くてじめじめした地下室のような場所。残念ながらセリフは覚えていないが、ジュリーが「男女、身分に関係なく、自分がしたことは、自分の責任になる」と気づく場面がとても良かった。少女が大人に、女性が人間になる瞬間。気づきは奇跡。照明の効果もあっただろうけれど、小野ゆり子さんは内面から輝いているようだった。クリスティン役の伊勢佳世さんの演技がとても良かった。冒頭の料理をしている演技から、もう素晴らしかった。「領主様(ジュリーの父)が帰宅する前に出ていこう、荷物をまとめろ」と言って、ジャンはとりあえずジュリーを地下室から上の部屋へと追い出した。クリスティンが起きてきて「今日は一緒に教会に行く約束よ」と言われ、ジャンは冷静さを取り戻す。だがジュリーと関係を持ったことがクリスティンにばれてしまった。クリスティンは激昂するが、怒りの対象はジャンではなくジュリーだった。「尊敬できない人に仕えることはできない。10月の契約終了を待って、ここを出る」と言い出す。金持ちになれば幸せになれるという物語を信じる者と、正しく生きて祈れば神様が許してくれるという宗教を信じる者。ジュリーとクリスティンのセリフでわかりやすく対比された。ジュリーは自分の身の上を吐露する。平民出身で進歩的な考えを持っていた母は男女平等を謳い、男の仕事を女に、女の仕事を男にさせていた。やがて領地が荒れてしまい、父が母の代わりに取り仕切るようになる。仕事を奪われた母は病気になった。しばらくして家が火事になった。火災保険が切れた翌日だったので放火が疑われた。母が煉瓦工場の経営者を父に紹介し、その男性が無利子で金を貸してくれた。だからこうやってまた家を建てられた。あなた(ジャン)のお察しの通り、その男性は母の愛人だった。金は母がもともと持っていた財産。つまり母は家を焼いて父に復讐したのだ。そんな父母に育てられ、私の体の半分は男で、半分は女。母から「男に決して屈するな」と言われた。私にとって男は敵。クリスティンが個室に行った時、ジュリーが大金が入った鞄と鳥かごを手に、地下に戻ってきた。大金を目にしたジャンは再び夢に燃え、やはりジュリーとともに出て行こうと決める。ジュリーがカナリアを連れて行くと言い出し、ジャンは当然反対する。籠の中でカナリアが鳴き出す。「もうこの動物(カナリア)しか、私を愛してくれるものはない」と懇願するジュリーだが、ジャンは籠からカナリアを奪い、包丁でその首を斬りとしてしまう。「とうとう血が流れてしまった」と叫ぶジュリー。そして「あなたとは出て行かない、もうこのままここに居る」と気持ちを反転させた。透ける素材のカーテンがかかった大きな窓が、ひとりでに閉まったことがあった。戻ってきたばかりのエドガーがまるで閉じ込められたかのよう。彼らの住まいは元牢獄で処刑も行われていた建物だ。子供が2人、日照不足で死んでいるのは、石造りの家に閉じ込められていたからだろうか。家が人々の心を蝕んでいるのかもしれない。庭劇団ペニノ『ダークマスター』(2016年)を思い出した。エドガー役の池田成志さんは笑いを誘う道化のような演技が多く、アリス役の神野三鈴さんとの罵倒合戦はコントのようだった。地獄の要塞に閉じ込められた醜悪な夫婦の話だが、空気は軽い。神野さんは『アルカディア』でもそうだったが、貫禄があってセクシー。クルト役の音尾琢真さんは“振り回される外部の若者”の立場で自然な感情を表現してくれていた。劇場を半分に区切って「死の舞踏」と相互公演するユニークな試みだったよなあ。と思い出しφ(..)コクーンで観劇してからずいぶん経ってしまったけど、「令嬢ジュリー」の映画版見て、高野しのぶさんのレビュー読んで、やっとそういう芝居だったんだーと、分かった。もやもやがやっと頭から消えた。これは予習してから見れば良かったなあ。対面客席で私は劇場ロビーから見て上手側に座った。私の席から観て下手側に大きな窓。石の床に柄物のカーペットが数枚。古びているがセンスのいい木製の家具が並ぶ。エドガーはカーキ色の軍服姿。アリスは赤紫色のベルベット地のドレス。クルトはスーツにトレンチコート。ベルが鳴り、領主が帰ってきた。突然、極度におびえだす2人。パイプから命令を聴いたジャンは制服に着替え、すっかり従順な使用人になった。野心が消えて、前の自分に戻ってしまったことを悔やむが、変わることができないことも自覚している。ジュリーは「私に命令して」とジャンに懇願し、ジャンはナイフを渡す。彼女に残されたのは死しかないと、2人ともわかっているから。ジュリーは「金持ちの私は死んでも神様に赦してもらえない」と悲しむが、ジャンは慰めるように「もうお前は上じゃない、下の、そのまた下だから(神様が救ってくれる)」と言う。ジュリーは「そう、私は下の下なんだ」と納得、安心し、心を決めて、鞄とナイフを持って、階段を上がっていく。終幕。外出から帰り、船に乗って町へ行って来たとエドガー。酔っぱらっている彼は「医者にあと20年は生きると言われた。新しい恋人(クルトの元妻だったかな?)ができたのでアリスとは離婚する、だから家から出て行け」と言う。怒ったアリスは「5年前(たぶん)にエドガーに海に突き落とされ、殺されかけた。裁判になったら娘のユーディットにそれを証言してもらう」と言い返す。しかしエドガーは「町でユーディットと食事をして口止めはしてある。そしてクルトの息子が自分の隊に入隊した(彼は自分の思うまだま)」と言い、アリスとクルトは窮地に立つ。今回上演される『死の舞踏』はコナー・マクファーソンの翻訳台本。本来は第二部まであるが、第一部のみを翻案したものだ。コナー・マクファーソン戯曲といえば『海をゆく者』が日本でも上演された。※パンフレット(500円)より。「今日は身分の上下はない、無礼講」と言うジュリーだが、実際は命令三昧のわがまま放題。敬虔なクリスチャンである料理人のクリスティンは令嬢なのに品のないジュリーの振る舞いに呆れている。クリスティンの婚約者で同じく使用人のジャンは「(使用人と踊るなんて)お嬢様、狂ってる」と言いながら、好意的に思っている風にも見える。ジュリーにしつこくダンスに誘われ、2度も一緒に踊ったジャンは、「周囲の使用人たちが(自分とあなたのことを)噂をしている」と警告するが、ジュリーは止めようとしない。隣に住むドクターのパーティーに招かれていない2人は、お互いに悪口を言い合いながら、いつもどおりカードをして暇をつぶしている。島の検疫所長に出世したクルトが15年振りにやって来た。彼はアリスの従弟で、女優だったアリスをエドガーに紹介した、2人の仲人とも言える人物だ。クルトはもう16年間、息子たちに会えていないと言う。離婚した妻との裁判で親権を取り上げられ、面会もさせてもらえないのだ。アメリカに渡り成功した彼も、幸せの絶頂にいるわけではない。「エドガーは仲間と“戦争未亡人のための基金”を設立し、その金を仲間と山分けして横領していた。それで酒代に困らないのだ」とアリスがこっそりクルトに告白。2人はそのことを警察に通報する。本土から警察が船でやってきたようだ。エドガー逮捕の連絡がもうすぐ電信機に届くだろう。しかしエドガーが昨晩言ったことは全て嘘だったのだ。ショックを受けたクルトは、夫への復讐に燃えるアリスにも愛想を尽かし、出て行ってしまう。

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