魍魎の匣 舞台 キャスト

魍魎の匣！！！！！！！！！！！！舞台化ですって！！！！！！！！！！！こんにちは、お馴染みののの乃です。「の」多。わたしと魍魎の匣との出会いは、本屋で「見たことある題名だなあ」と志水アキさんの漫画版を表紙買いしたのが始まりでした。 舞台「魍魎の匣」 【公演期間】東京：2019 年6 月21 日（金）～6月30 日（日） 天王洲 銀河劇場 神戸：2019 年7月4日（木）～7月7 日（日） AiiA 2.5 Theater Kobe 【原 作】京極夏彦「魍魎の匣」（講談社文庫） 【脚 本】畑 雅文 【演 出】松崎史也 舞台「魍魎の匣」開幕、橘ケンチら豪華キャスト陣からのコメントが到着. ほどんどが直線と角のみで構成された舞台上だからこそ、「生物」としての人間が時に際立って美しかったり恐ろしかったり。隙間なくみつしりと積み上げられた「匣」の壁が開き、奥に隠された歯車やチューブ。そして、先に書いたように改めて「とんでもない物語だ」と思いました。大事なところが端折られるならまだしも、詰め込みすぎてダイジェスト朗読劇みたいなことになってやしないだろうか。結果だけ見れば、言葉の戦いで京極堂に勝てる訳がないんですけど。多分だけど、久保は結局人をやめることによって得られる幸せにはたどり着けなかったのだし。何故こんなにタラタラ書いたかと言うと、いかにこの「魍魎の匣」という舞台が(少なくとも私にとって)高いハードルを越えてくるものであったかを永遠に語り継ぎたいからです。これが演劇という芸術の面白さだよなぁ、と震えながらまたしても感動しておりました。（なお余談ですが、結局EXILE THE SECONDのライブは計5回、続くEXILEのライブ「STAR OF WISH」は計7回観ました。オタク迷うだけ無駄。)という言葉が、もし我々を彼岸へ誘う側の言葉として、橘ケンチの顔と声で耳元で囁かれたならば私は彼岸へ直行する。という囁きでトドメを刺す京極堂に、「憑きものが堕ちた」ように茫然とした顔を浮かべる美馬坂。はじめはただの病院内の施設の一部にしか見えていなかったそれが、京極堂の言葉によって「人体」へと変わっていく。ラストシーン、雨宮が真っ直ぐに舞台奥からこちらに向かって歩いてきて、ついに客席との境界を踏み越えて暗転なの本当怖いったら。「人をやめた」何かがこちらの世界に侵食してくる恐怖をじわじわと感じる。そんな頼子、そして雨宮や久保の愛や屈折した性癖は、あまりに世間一般から見た「正常」と他に類を見ないほどかけ離れ過ぎてる。と私は想像していたのですが、蓋をあけてみれば京極堂主人公の真っ向勝負舞台化でありました。更に言えば、第一報の時点で「主演は橘ケンチ」とは明かされていても「主演は中禅寺秋彦」とは誰も言ってなかったですからね。私のイメージする関口そのもので、冒頭から心を鷲掴みにされてしまった。これもまた「魍魎の匣」がそんじょそこらの小説とは一線を画す所以なのだけど。木場が温かく手を差し伸べたらきっと…とすら思えたのに、実は京極堂ですら唯一彼女だけは手に負えなかった。だって「絡新婦の理」で、ラストシーンで猛烈な桜吹雪が散る中に佇むケンチ京極堂見たくないっすか。言葉という分野で京極堂に立ち向かおうとする美馬坂教授のすさまじい迫力。と雄たけびを上げて舞台の成功を確信し、続編の準備に入ったと思う。本気で実写化するならジュード・ロウ以外にあり得ない、と学生時代の友人間で満場一致した天上天下唯我独尊探偵。冒頭からカマされた「匣の中の娘」の見せ方には心底ぞっとしました。「この世のものとは思えない美」「夢幻の存在では」「どちらかというと憑く側」「むしろ憑かれたい」なんてったって紫吹淳さん、そして西岡徳馬という役者の圧倒的凄味よ！いつか、LDHにおける私の最推しである黒木啓司さんの生の舞台も観たい（言霊、言霊）その、私が愛してやまない演劇というジャンルで、愛してやまない小説を、愛してやまないグループの御方が主演で見せてくれる。美馬坂は京極堂の呪いに折れた＝憑き物も落ちたように思うけど、陽子に憑いたものは結局京極堂にもどうにも出来なかった。下手なアクションシーンなんかじゃ比べ物にならないくらいの熱量、凄かった…！原作からとても好きな設定の宝庫なんだもの。こちらも舞台続編に期待します。「魍魎の匣」という舞台がある令和最初の夏に、改めて深く深く感謝する私です。早いもので、私が京極堂シリーズにどハマりして「姑獲鳥の夏」以降を一気読みしてから約13年。あんなに血生臭い結末が待っていなければ、少し怖くて幻想的なひと夏の青春物語として、それだけで1本の芝居になるような2人だったのにね。榎さんだけは他の3人と違って「原作のイメージ通り」とはいかなくて。少し背中を丸めた姿勢、おどおどした態度と話し方、周囲の押しが強い面々にやいのやいの言われておろおろする頼りなさと、舞台ならではのそこはかとない愛嬌。高橋さんも内田さんも、舞台で拝見するのは多分初めてだったと思うのだけど…本当に良かった、嬉しかった。父の姿を通して、久保が抱えた隙間の哀しみまでもおぼろげながら想像が出来てしまうのがまた悲しい。「絵力が強い！」と榎さんに指されて笑われるとこはちょっと面白かったです。どうか、息子の地獄のような最期の詳細をこの父親は極力知らずにいて欲しいとだけは願わずにいられない。（たまにそういう無粋な芝居に当たるので…コメディ舞台ならまだしも）流石に、原作の特徴の１つである膨大な知識や情報量は舞台に不向きなので削ぎ落とされてはいました。「『美丈夫』という言葉を辞書で引けば橘ケンチの全身写真が掲載されている」それを決して直接的に見せずとも、前後のシーンと皆の茫然とした表情だけで想像させてしまう。それにしても、手足を失い胸から上だけの体となった久保が美馬坂の喉を食いちぎるなんて、身の毛のよだつような光景じゃないですか。一定の年代以上の本好きなら、これ以上は説明せんでも分かるやろと言い切る。7月6日18時〜、7月7日18時〜、AiiA 2.5 theater Kobeにて。この舞台、映像でも「是非見て！是非！」と私は勧めまくる所存です。この4人が初めて舞台上に並んだ瞬間、胸が熱くなった原作ファンは多いでしょう。原作のストーリーほぼミステリ要素だけ抽出しても、その2時間10分の密度の濃さたるや。では、彼が抱えた「匣」の中の加菜子は果たして幸せだったのか？を考えると…。彼の造形を構成する何もかもが、彼本来の妖しさと美を一層際立てていて本当美ジュアルありがとうございますありがとうございます。三方を囲む壁が一転積み上げられた「匣」になり、その中にバラバラの手が詰まる悪夢もなんておぞましい。久保が魅入られ、雨宮が愛した加菜子は、もしかしたらもう…、とか。それらががっつり拝めた上、映し出される文字や絵を巧みに使って理解を助けた演出も非常に良かった。憧れの元女優と偶然にも出会い、1ファンの立場から気付けば本当に惚れていて、警察としての立場もありつつ必要以上に肩入れしてしまううちにいつの間にか事件の中へ中へと…。一方で得体の知れない迫力があり、その正体をもっともっと知りたいからまた彼の京極堂に会いたい。だから、ほんの少しキャラクターを変えてきたのは大正解だったと私は思います。原作ファンには京極堂シリーズの本領発揮が、未読の観客の方々には「京極堂の憑き物落としとはこれだ！」という強烈な印象が残る名シーンになったはず。傑作小説へのリスペクト、キャストファン原作ファン演劇ファン全ての観客への誠実さと愛に溢れた芝居を見せていただきました。とちったり噛んだり一瞬のミスが命取りになるあの役どころに対して、一切誤魔化しなしの真っ向勝負で魅せ切ったお姿の凄味と美しさたるや！時に底知れない恐ろしくはあるけれど、絶対に「こちら側」に居続けている人として舞台に立っていらっしゃった。神戸最終2日間、マチソワマチソワという鬼スケジュールの両ソワレを観劇したけど、少しの乱れもなかった。そして終盤、あの西岡徳馬を向こうに回してのがっぷり四つの対決、言葉と言葉の殴り合いの壮絶さには震えた。「匣」が絡むとガラリと口調も雰囲気も変わる久保のシーンは、物語上どうしても説明台詞や会話が多くなってしまうこの舞台において非常に良いアクセントでした。後にも書きますけど、この「魍魎の匣」は2組の悲しい親子の話でもあるんですよね。電車に撥ねられた女子高生とその誘拐、連続バラバラ殺人事件、奇妙な霊能力者。陽子が手錠をかけられた瞬間に目を逸らす仕草とか、グッと来てしまった。プロローグにて久保と関口の姿で再現された「匣の中の娘」を、本来の雨宮と久保でなぞる種明かし場面も上手い、大好き。劇団EXILEの皆様をはじめ、LDH所属のアーティストをもっと沢山舞台で観る機会が増えますように。薄情なようでいて、本当は心ある人であることが特に終盤節々で分かるのが良い。ちなみにマジカルステップ、というか祈祷の舞いの力強さやキレの迫力も流石の一言。ハイローザム２を見てからEXILE THE SECONDのライブに行くか迷い出した頃の私に、今回の芝居において、いわゆるメタ的なネタや中の人ネタを一切入れてこなかったのも私は「誠実だなぁ」と思った理由なのですが彼も彼で出てきて第一声から「うわっ木場修や！」って思ったもの。演出も脚本もそしてキャストも、何一つ期待を裏切らない作品でした。この舞台は決して直接的にグロテスクな描写があるわけでなく、ただただ言葉や文字やイマジネーションの力を存分に駆使して恐ろしくおぞましいものを舞台上で魅せるのだから余計にひどい。彼が鬼気迫る、狂気的な情熱と圧で魅せれば魅せるほど、それを更に捩じ伏せる京極堂の凄味が増すんですよね。息子がそんななのに、その父親の憑きもの落とし場面の結末はとても寂しくて悲しい。彼の姿で、声でそんな言葉をかけられるなんて、これはもう一種の「呪い」でしょう。結末を知っていると、これもまた恐ろしくはあるんだけれど、それ以上にエモさが凄い（便利な言葉だ）。更に言うなら、原作を知っていれば彼がただの超能力者でなく腕っ節から何から何まで出来る男であることは周知ですが、2時間10分の舞台で語るにはあまりに短い。が演劇ファン原作ファンとしての私が一番気になっていたところであったのですが、期待の数倍数十倍のものを見せていただいて本当に感謝しかない。母に対する憎しみも、父に対する愛情も、美しい涙を流しながら語る姿はとても人間的。ケンチさん、いや京極堂がカテコ中も一族郎党死に絶えたような仏頂面…とまではいかなくとも笑顔には遠い真顔を貫き通し、千秋楽の最後には思い入れがある原作&ビジュアルどハマリの大好きな主演だから尚更、楽しみと表裏一体の不安を抱えて劇場に足を運んだのは私だけではなかったと思います。そして、一歩間違えれば彼自身も「彼岸」へと渡ってしまいそうな危うさ。それくらいにケンチさんの京極堂は非現実的なくらい美しくて、妖艶でありながら確実にこの世の存在であってくれたのが本当に有り難かった。命拾いした。これからまだまだパフォーマーとしての活躍を見守りたいのは大前提として、中禅寺秋彦役は「舞台役者・橘ケンチ」のライフワークの一つにしてほしい。と少し悲しげでありつつも照れ臭そうに言う姿はきっと、彼が出来た精一杯の愛の告白だったんだなぁ。「魍魎の匣」は木場の物語でもあるので、彼が観客にとっても非常に魅力的な人物であることは大きかったです。全ての事件はまるきり異なる犯人による、常人にはまるきり理解出来ない動機によるもの。あるいは美馬坂という男にとっては、中禅寺秋彦もまた目触りで囚われて仕方のない憑きものであったかもしれない、とも思いました。一見別々の事件が実は同じ犯人により全てつながっていた、というのはミステリあるあるネタですが、逆にそれら全ての「好き」が一堂に会するこの舞台の情報が解禁されてへたり込んでから2カ月になります。その最たるものが、「美馬坂近代医学研究所」の真の正体が明らかになる場面でしょうか。京極堂に「貴方は真面目な人だ」と言わしめ、罪悪感故に息子の言いなりになるも稼いだ金で豪遊出来るほど欲に溺れることもできず。唯一「御筥様」の憑き物落し場面では伝承や民俗文化知識等等の情報の洪水が思う存分発揮されていたと思います。他の人々の欲や情念や愛があまりに屈折しまくっている中で、木場修はなんと分かりやすく感情移入しやすいことか。推しが最高の役を舞台で演じてくれた幸せを味わえただけでなく、「魍魎の匣」という小説が凄まじく面白い物語であったことを思い出させてくれたのも嬉しい。舞台上に大層なセットを組まずとも、大小の四角、まさに「匣」を駆使してそれが部屋になり、電車になり、最後には「人」になる。さりげない説明台詞、おそらくどの席からも問題なく見えるように表示される登場人物名、シンプルなセットと小道具で繰り出す分かりやすい場面転換。でも、あの「中」に登場人物共々閉じ込められた恐怖だけは劇場で見た我々の特権、生の舞台の醍醐味。あと10分や15分くらい上演時間が延びてもいいから、少し丁寧に描いて欲しかったなぁというのは一観客のわがままです。贔屓目抜きで本当にケンチさんは、京極堂を演じるべき人だったんだと思いました。特に久保俊公が関わるシーンはことごとくホラーテイストで描かれていましたが、彼が匣に見たのはこれと似た誘惑だったのかもしれない。それも舞台化するなら4時間近い長丁場を覚悟していたら、事前に提示された上演予定時間は2時間10分だったもの。いや「絵ヂカラが強い」のは勿論ケンチさんじゃなくって中禅寺秋彦その人ですので。来月は同じくEXILE/EXILE THE SECONDのねっさんことNESMITHがフック船長を演じる「ピーターパン」を観に行くのです！そして流れるように一切無駄なく進む物語は、決して観客を置いていかないようありとあらゆる工夫がされていました。美馬坂が生きている以上、木場修がどんな言葉を尽くしても彼女の心に届かなかっただろうし、あの結末は避けられなかっただろうな。あの能力は劇中では「超能力」と一言で流されていましたけど、その裏にもまた膨大な科学の裏付けがあると語る京極堂のシーンはちょっと期待してたから残念。ケンチさんのダンサーとしての筋力、そして表現力が余すところなく発揮された見せ場だった。ひとつひとつの真相が京極堂の口から明らかになる度に、一応物語を知っている私でも鳥肌が立つ思いでした。屋上にて座り込んだ彼女は父から遅れること数分、ようやく「憑きものがおちた」顔をしていた。という、今まで聞いた中でもシンプル且つ屈指の名挨拶を残してくれたのもそれを象徴していたと思います。と言ってるにもかかわらず、いざ目にした彼の京極堂があんなに人間離れした容姿と凄味を持ちながらも紛うことなく「人」であったことに大いに安堵したし、それでこその中禅寺秋彦。役者が大変なだけではなく、絶対に観客がついていけないもの。（そして確実に4時間を超える。）「通勤電車で読めない本」ランキングにて、人目が気になる表紙やタイトルが並ぶ中で唯一物理的理由（重い厚い）でランクインしたレンガ本「京極堂シリーズ」の最高傑作と名高い、そして私自身も一番好きな一冊。橘ケンチ主演舞台『魍魎の匣』がどんなに素晴らしかったかを懇々と伝えたい。あの瞬間、舞台と客席の「境界」すら消えて劇場全体が巨大な匣、久保俊公という男の「中」へと変わった。内田さん、お髭がない顔しか知らず、どちらかと言えば優男なイメージだったものだから余計にギャップに驚いた。ひとつだけ言えるのは、唯一雨宮の視点に立てば「魍魎の匣」は幸福な結末であったと言い切れるのだろうなってことです。プロローグで久保が雨宮を、関口が久保を担って導入部を演じたのはその象徴のようでしたね。最後に明かされる加菜子出生の秘密がそれに比べて衝撃度が低い、というか予想がついてしまうのは勿体ない部分であるなぁと思います。パンフの生年月日を見たら余裕で歳上の方だったので目を剥きました。原作通りではなく、もしかしたら久保俊公を主役にした新しい視点の脚本なのでは？この情報が出た日もメインビジュアルが出た日も大興奮して職場の床をゴロゴロと転げ周り、埃の清掃に大層貢献した…一方で不安でした。セットも小道具も無機質な分、生きた人間の生々しさが余計に強調されるのも良い…。演じられた花王おさむさんのどうしようもない哀愁もあってか、私はこの人のことが大好きになってしまい悲しくてたまりませんでした。関口と鳥口くん（「うへえ」可愛かった！）は観客側に近い登場人物として、この複雑な物語の理解を助けてくれていた。そして、橘ケンチ主演の京極堂シリーズがこれから第2作、3作と続きますよう。とはいえ、美馬坂と陽子はこの物語のクライマックスに対峙するに相応しい2人ですね。そして過去に戻れるのならば、京極堂シリーズに夢中になっていた大学生私に、京極堂の言葉に、寺田だけでなく観客も一緒に呑まれていく感覚はいっそ爽快ですらありました。逆に言うと、彼岸に辿り着き人をやめてしまった雨宮はとてもとても幸せなのだろうな。そして「人の記憶が見える」場面の表現も分かりやすくてシンプル且つ良い演出をありがとう。分かっていても尚、ケンチさんの京極堂から感じた迫力を「当たり前」の一言では片付けられない。第三者にはモヤモヤした何かにしか見えないけど、そこには榎さんにしか見えない何かがあるんだ。

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